サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想

サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想

世の中の瞑想を大きく二つに分けることができます。一つがサマタ瞑想。もう一つがヴィパッサナー瞑想です。この二つの瞑想は大きく異なっています。何が違うのか、どちらが人気があるのか、ヴィパッサナー瞑想がなぜ必要なのかをお伝えします。
 

サマタ瞑想とはどんな瞑想か?

サマタ瞑想とは集中の瞑想とも言われています。つまり何か対象となる1点に意識を集中する瞑想のことです。対象となるものは瞑想によって異なります。例えば、ロウソクの炎や紙や壁などの1点、マントラ、呪文、お経、音楽、呼吸などがあります。

1点に意識を集中することで、他のものが気にならなくなります。シェルターに守られているように、集中することで外界を遮断するのです。そうすることで心は落ち着き、また集中力も高まります。深い集中を得られるとインスピレーションなどを得られることもあります。

サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想の違いは何か?

サマタ瞑想は例えると電池のようなものです。電池は内部に電気エネルギーを溜め込んでいます。しかし、それを実際に電池で動く電化製品に入れて使わなければ意味がありません。サマタ瞑想は溜め込んだエネルギーを使うまでには至っていないということです。

充電はするけど放電はしないのです。サマタ瞑想に関する他のキーワードを挙げると「汚れと戦わない。汚れを見ない。隠れる。防御する。」となります。

対してヴィパッサナー瞑想は放電まで行います。電池を電化製品に入れて使用し、電気エネルギーを使い製品を動かします。ヴィパッサナー瞑想であれば溜め込んだエネルギーを使うことで心の汚れを払うのです。

ヴィパッサナー瞑想に関する他のキーワードを挙げると「心の汚れと戦う。汚れを見て消す。汚れと正面から向き合う。」となります。

他にも大きな違いとして、サマタ瞑想が何か対象となる1点に意識を集中するのに対して、ヴィパッサナー瞑想は変化を観ます。対象は人間の内側のもので、体の変化、感覚、感情、記憶、思考、理解です。それらが今、この瞬間にどのように変化していくかを観ます。

ヴィパッサナー瞑想は決して外側のものを対象にはしません。なぜなら心の汚れをきれいにする瞑想だからです。サマタ瞑想は集中により心を落ち着かせることはできますが、心の汚れを完全に払うことはできません。ここに大きな違いがあります。

なぜサマタ瞑想の方が圧倒的に広まっているのか?

実は世の中のほとんどの瞑想はサマタ瞑想で、ヴィパッサナー瞑想を実践している人はごくわずかです。なぜサマタ瞑想の方が広がっているかというと、まずは一つにはサマタ瞑想は集中の対象が様々なため多種多様な瞑想法を作り出すことができるというのがあります。

例えば、マントラや呪文、お経などはたくさん存在しますし、音楽も新たに作り出すことが可能です。物への集中も対象となる物を変えれば新しい瞑想になります。そうやって瞑想法はどんどん増えていきます。

またサマタ瞑想は1点に意識を集中しますから初心者でもとっつきやすいというのもあります。
普段、私たちは集中するときには何らかの1点の対象に集中するものです。

その集中する対象が移り変わり、移り変わる対象に意識を合わせて集中していくヴィパッサナー瞑想はある意味とても難しい瞑想です。集中する対象が複数あるという状態は、普通であれば意識が散漫になってしまうからです。

そういったところから、ヴィパッサナー瞑想の集中はサマタ瞑想の集中よりもより深い集中が必要になります。移り変わる対象に対して、こちら側も意識を切らすことなく移して行かなければなりません。先ほどヴィパッサナー瞑想が放電でエネルギーを使うと言ったのはそのためです。

サマタ瞑想だけで充分なのか?

それからヴィパッサナー瞑想よりもサマタ瞑想が好まれる一番の理由が、仕事やプライベートでの何らかの成果やインスピレーションは得たいが欲まではなくしたくないというものです。心が落ち着けばそれで充分で完全に心を綺麗にしようとまではしたくないという人が多いということです。

この社会は欲で成り立っています。特に資本主義の国ではそうです。欲を上手に活用して経済を発展させています。そのような社会で欲を完全に否定することは確かに難しいのかもしれません。しかし、もしあなたが苦しんでいたり悩んでいたりするならばその根本の原因こそが欲なのです。

何かになりたいけどなれない。何かをやりたいけどやれない。何かがほしいけど得られない。そんなとき人は苦しみます。苦しむというとピンとこないかもしれませんが、少なくともそんなときストレスがかかります。

欲に打ち勝つには心が落ち着くだけは不十分です。根本的に欲をなくす努力、すなわちヴィパッサナー瞑想が必要です。サマタ瞑想だけではなく、ぜひヴィパッサナー瞑想を日常生活に取り入れていきましょう。




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